用語解説

岩盤斜面の崩壊形態

崩落

  風化や浸食作用を受けて緩んだ斜面上の岩石が岩盤から分離して落下する現象で、落石やブロック崩壊があります。しかし、多くの場合は斜面崩壊の前兆現象を示しています。
落石
ブロック崩壊

トップリング

  トップリングにはたわみ性トップリング崩壊とブロックトップリング崩壊があります。 たわみ性トップリング崩壊は、節理が受け盤となっている岩盤斜面において、節理の傾斜が比較的緩やかで、しかも比較的軟質な板状岩盤の場合は、節理によって分離した岩盤が重力によって全体的に斜面側にたわんで、ゆっくりと崩壊していく現象です。
 一方、ブロックトッブリング崩壊は、節理が受け盤となっている岩盤斜面において、節理の傾斜が急角度で、しかも硬質の板状または柱状の岩盤の場合は、節理によって分離した岩盤が重力によって全体的に斜面側にたわんで、引張破壊を起こしブロック状となって崩壊する現象です。
たわみ性トップリング崩壊
ブロックトッブリング崩壊

すべりによる崩壊

  すべりによる崩壊には、平面すべり崩壊とくさびすべり崩壊および円弧すべり崩壊があります。
 平面すべり崩壊は、岩盤斜面に対して構造的弱面(節理、層理、片理等)や地質的不連続面(断層)が流れ盤の場合は、これらの単一面に沿って崩壊する現象です。
 一方、くさびすべり崩壊は、2つの不連続面が交差し、さらにこの交差線が斜面によって切られている場合に、この2つの不連続面で囲まれた岩盤がせん断すべり崩壊を起こす現象です。
 また、円弧すべり崩壊は、通常の円弧すべりで、岩盤斜面では上記の平面すべり崩壊などの崩壊形態と複合して発生する現象です。
平面すべり崩壊
くさびすべり崩壊
円弧すべり崩壊

バックリング

  節理や層理がほぼ垂直に発達している岩盤の場合は、節理や層理によって分離した板状または柱状の岩体が自重によって亀裂や劣化の箇所で座屈し、板状または柱状の岩体が折れ曲がるように全体的に崩壊する現象です。
バックリング崩壊