有限要素法では、解析の結果として各要素毎に応力値が定まるため、下式の要素安全率(局所安全率)を定義して、その分布から解析系の安定性を評価するのが一般的です。

| σ1,σ2:最大、最小主応力 |
C ,φ :粘着力と内部摩擦角 |
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しかし、この手法では適切な荷重漸増載荷により、潜在すべり面の発生と進展を推察できる反面、地盤材料の構成則や解析手法によっては解析者に高度の判断力を要求されます。そこで、渡辺(フィルダムの動的解析に基づく安定評価手法の一考察:電力中央研究所報告381020,1981年12月)は、地盤内の連続した潜在円弧すべり面上土塊のすべり安全率を慣用的な分割法すべり計算と対比して次式のように定義しました。
| σi |
:要素iのすべり面上の直応力 |
| τi |
:要素iのすべり面上のせん断応力 |
| S |
:土要素のせん断抵抗 S=Ci+σi・tanφ |
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要素iのすべり面上の応力  |
有限要素法を用いたすべり安全率Fsは、すべり面が通過する全ての要素の総和をとります。 慣用的な分割法すべり計算では、安全率Fsが構造系の静定化のために全分割片で一定と仮定しているのに対し、有限要素法を用いたすべり安全率Fsはすべり面上要素安全率の重み付き平均的な意味合いを持っています。 |